猫が吐いた後にすぐご飯を欲しがることは珍しくありません。しかし、これは正常な行動なのでしょうか?
吐いた後でも食欲がある場合、猫の健康に問題はないのか気になる飼い主さんも多いはずです。
本記事では、猫が吐いた後にご飯を欲しがる理由や、その際に注意すべきポイント、適切な対応方法について解説します。
この記事を読むとわかること
- 猫が吐いた後にご飯を欲しがる理由とその背景
- 吐いた後に食事を与える際の注意点と適切な対応方法
- 猫が頻繁に吐く場合に考えられる原因と病気の可能性
目次
猫が吐いた後にご飯を欲しがる理由

猫が吐いた後にご飯を欲しがる理由
猫が吐いた後にすぐご飯を欲しがることは、多くの飼い主さんが経験する現象です。
「吐いたのにお腹が空くの?」と不思議に思うかもしれませんが、猫にはいくつかの理由があります。
ここでは、猫が吐いた後にご飯を欲しがる代表的な理由について解説します。
単なる空腹の可能性
猫が吐いた原因によっては、単に胃の中が空っぽになっただけのことがあります。
特に、早朝や食事の間隔が長いときに吐いた場合、胃の中に何も残らず強い空腹感を覚えることがあります。
この場合、吐いた後も体調が良さそうなら、少量のご飯を与えて様子を見るのが良いでしょう。
吐いた原因による違い
猫が吐く原因にはさまざまなものがありますが、その理由によってはすぐに食欲が戻ることもあります。
- 毛玉を吐いた場合:毛玉を吐いた後はすっきりし、食欲が戻ることが多いです。
- 食べ過ぎや早食い:一気に食べてしまい、消化が追いつかずに吐いた場合も、吐いた後すぐにまた食べたがります。
- ストレスや空腹嘔吐:ストレスや長時間の空腹が原因で吐いた場合、吐いた後も強い食欲を示します。
このように、吐いた理由によってはすぐに食事を欲しがるのが自然なこともあります。
本能的な行動としての食事要求
猫は野生の本能として、「食べられるときに食べておく」習性があります。
そのため、吐いた後でも「食べられるなら食べよう」とすることがあります。
特に、食事の機会が限られていると感じている猫や、競争のある環境(多頭飼い)では、この傾向が強くなります。
しかし、病気が原因で吐いた場合は、すぐにご飯を与えるのは危険なこともあるため、次の章で注意点を解説します。
猫が吐いた後にすぐご飯をあげても大丈夫?

猫が吐いた後にすぐご飯をあげても大丈夫?
猫が吐いた後に「すぐご飯を欲しがる」ことがありますが、すぐに食事を与えるのが良いとは限りません。
特に、吐いた原因によっては危険な場合もあるため、慎重に判断する必要があります。
ここでは、吐いた後にすぐご飯をあげるべきでないケースと、安全に食事を再開する方法を解説します。
吐いた直後の食事が危険なケース
猫が吐いた直後は、胃が敏感な状態になっています。
そんな状態で急いでご飯を食べると、再び吐いてしまうリスクがあります。
特に以下のような場合は、すぐに食事を与えない方が安全です。
- 短時間に何度も吐いている(数回続けて嘔吐する場合は要注意)
- 吐しゃ物に血が混じっている(内臓にダメージがある可能性あり)
- ぐったりして元気がない(脱水や重篤な病気の可能性)
- 吐いた後もよだれを垂らしている(胃の不調が続いているサイン)
このような症状がある場合は、すぐに病院へ相談することが大切です。
少量ずつ与えるのが安全な理由
猫が吐いた後でも元気で、上記の危険な症状がない場合は、少量ずつ慎重に食事を再開するのがポイントです。
いきなり通常の食事量を与えると、胃に負担がかかり再び吐く可能性があります。
具体的には、いつもの半分以下の量から始め、問題なければ30分〜1時間後に少しずつ追加すると安心です。
また、胃にやさしいフードを選ぶのも重要です。
- 消化の良いウェットフード(ドライよりも胃に優しい)
- ぬるま湯でふやかしたカリカリ(硬いフードは消化に負担)
このような工夫をすることで、吐いた後でも無理なく食事を再開できます。
何度も吐く場合は病院へ
もし猫が頻繁に吐く場合は、単なる食べ過ぎや毛玉ではなく、病気の可能性も考えられます。
特に、以下のような症状がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
- 1日に何度も吐く(3回以上続く嘔吐は異常)
- 水を飲んでも吐く(脱水症状のリスク)
- 便が緩い・血便がある(胃腸の炎症や感染症の疑い)
- 食欲が戻らない(腸閉塞や膵炎の可能性)
これらの症状がある場合、早めに獣医師の診察を受けることが最善です。
猫が吐いた後の適切な対応方法

猫が吐いた後の適切な対応方法
猫が吐いた後は、すぐにご飯を与えず、まずは落ち着いて様子を観察することが大切です。
原因によっては、適切な対応をしないと症状が悪化する可能性もあります。
ここでは、猫が吐いた後に取るべき正しい対応方法を詳しく解説します。
まずは様子を観察する
猫が吐いた後、すぐに元気に動いているか、ぐったりしていないかを確認しましょう。
以下のような状態なら、比較的安心です。
- 吐いた後も元気で動き回る
- すぐに普段通りの行動をする
- 吐しゃ物が毛玉や未消化のフードのみ
しかし、以下のような状態ならすぐに動物病院に相談してください。
- 吐いた後にぐったりしている
- 短時間で何度も吐く
- 吐しゃ物に血が混じっている
- よだれを大量に垂らしている
このような場合は、胃腸炎や中毒の可能性もあるため、早めの診察が必要です。
水分補給を優先する
猫が吐いた後は、脱水を防ぐために水分補給が重要です。
ただし、一度に大量の水を飲ませると、胃が刺激されて再び吐く可能性があります。
そのため、少しずつ飲ませるのがポイントです。
水分補給の方法としては、以下を試してみてください。
- 常温の水を少量ずつ与える
- ウェットフードの水分を活用する
- スポイトやシリンジで少しずつ与える(ぐったりしている場合)
水をまったく飲もうとしない場合は、脱水のリスクがあるため病院で点滴が必要になることもあります。
消化に良いフードを選ぶ
吐いた後にご飯を再開する場合、消化に優しいフードを選ぶことが大切です。
いきなり通常のドライフードを与えるのは避け、胃に優しい食事から始めましょう。
おすすめのフードは以下のとおりです。
- ウェットフード(消化が良く水分補給もできる)
- ぬるま湯でふやかしたカリカリ
- 獣医推奨の消化サポートフード
また、食事を与える際は以下の点にも注意してください。
- 最初は少量から始める(通常の半分以下)
- 30分〜1時間おきに様子を見ながら追加する
- 食事のペースが速い場合は少しずつ与える
吐いた後に急いで食べさせると、再び嘔吐するリスクがあるため、慎重に進めましょう。
猫が頻繁に吐く場合に考えられる原因

猫が頻繁に吐く場合に考えられる原因
猫はときどき吐くことがありますが、頻繁に吐く場合は何らかの問題がある可能性があります。
単なる毛玉や食べ過ぎだけでなく、病気のサインであることもあるため、慎重に判断しましょう。
ここでは、猫が頻繁に吐く場合に考えられる主な原因を解説します。
毛玉の影響
猫はグルーミング(毛づくろい)をする習性があり、その際に飲み込んだ毛が毛玉となって胃に溜まることがあります。
通常、毛玉は便として排出されますが、うまく出せないと毛玉を吐くことで体外に出そうとするのです。
もし猫が月に数回程度、毛玉を吐くのであれば、大きな問題はありません。
しかし、以下のような場合は対策が必要です。
- 毎週のように毛玉を吐く(頻度が多すぎる)
- 吐いた後に元気がなくなる
- 便秘が続いている(毛玉が腸に詰まるリスク)
この場合、毛玉ケア用のフードやヘアボール対策サプリを試したり、ブラッシングをこまめに行うと効果的です。
食事のスピードが速すぎる
猫が早食いしすぎると、胃がびっくりして吐いてしまうことがあります。
特に、ドライフードを勢いよく飲み込むと、消化が追いつかずに未消化のまま吐き戻すことがあります。
この場合、以下の対策が有効です。
- フードボウルを早食い防止用にする
- 食事回数を増やし、1回の量を減らす
- ウェットフードを混ぜて食べやすくする
早食いによる嘔吐は比較的よくあるケースですが、適切な工夫で予防できるので試してみましょう。
病気の可能性も考慮する
毛玉や早食いが原因ではなく、1日に何度も吐く場合や長期間続く嘔吐は、病気の可能性があります。
考えられる病気には、以下のようなものがあります。
- 胃腸炎(ウイルスや細菌感染による炎症)
- 腸閉塞(異物を飲み込んで腸が詰まる)
- 膵炎(消化酵素の異常で嘔吐が続く)
- 腎不全(腎臓の機能低下による中毒症状)
特に、以下のような症状が見られる場合はすぐに動物病院へ相談してください。
- 吐くだけでなく、下痢や血便がある
- 水を飲んでもすぐに吐く
- 急激に体重が減少している
- ぐったりして元気がない
病気による嘔吐は、放置すると症状が悪化する可能性があります。
「少し様子を見よう」と思わず、異変を感じたらすぐに獣医師に相談することが大切です。
まとめ:猫が吐いた後にご飯を欲しがるときの注意点

まとめ:猫が吐いた後にご飯を欲しがるときの注意点
猫が吐いた後にご飯を欲しがることは珍しくありませんが、すぐに食べさせるのが正解とは限りません。
吐いた原因によっては、食事を与えることで症状が悪化する可能性もあります。
ここで、本記事の重要ポイントを振り返りましょう。
猫が吐いた後にご飯を欲しがる理由
- 単なる空腹の可能性(胃が空っぽになったことで食欲が湧く)
- 吐いた原因によっては問題ないケースもある(毛玉や早食いなど)
- しかし、病気が原因の場合は注意が必要
猫が吐いた後にご飯をあげる際の注意点
- すぐに食べさせるのは避ける(胃が刺激されて再び吐くリスクあり)
- まずは少量の水で様子を見る(脱水を防ぐ)
- 食事は少量ずつ、消化に良いものを与える
- 短時間で何度も吐く場合はすぐに病院へ
こんな場合はすぐに動物病院へ
以下の症状がある場合は、自己判断せずに獣医師に相談してください。
- 1日に何度も吐く
- 吐しゃ物に血が混じっている
- ぐったりして元気がない
- 食欲が戻らない、または急に痩せた
特に水を飲んでも吐く場合は、脱水症状の危険があるため早めの受診が必要です。
まとめ:猫の健康を守るためにできること
猫が吐くこと自体は珍しくありませんが、頻繁に吐いたり、異常な症状が見られた場合は注意が必要です。
普段から以下の対策をしておくと、猫の健康管理に役立ちます。
- 毛玉対策(ブラッシングやヘアボールケア)
- 早食い防止の工夫(フードボウルの変更や食事回数の調整)
- 定期的な健康診断(病気の早期発見につながる)
飼い主が適切な対応をすることで、猫の健康を守ることができます。
「いつもと違う」と感じたら、すぐに専門家の意見を聞くことが大切です。
この記事のまとめ
- 猫が吐いた後にご飯を欲しがるのは、空腹や本能的な行動の可能性がある
- すぐに食事を与えると再び吐くリスクがあるため、少量ずつ与えるのが安全
- 頻繁に吐く場合は、毛玉や早食いだけでなく病気の可能性も考えられる
- 嘔吐が続く、血が混じる、ぐったりしている場合はすぐに動物病院へ
- 日頃から毛玉ケアや早食い防止対策を行い、健康管理を心がけることが大切